URL Lottery は、2014年にドイツで開催されたメディアアート芸術祭「transmediale」に出展されたインスタレーション作品です。
本作品は、スタートボタンを押すとインターネット上からランダムに5件のWebサイトURLを抽出し、レシートプリンターから印字する装置です。
印字されたURLは、当然ながらリンクではありません。
閲覧するためには、利用者自身がブラウザのアドレスバーに直接入力する必要があります。
コンセプト
本プロジェクトのコンセプトは「紙に書かれたURLを直接アドレスバーに入力する感覚を再体験する」という点にあります。当時、索エンジン、レコメンドアルゴリズム、SNSフィードなどによってWeb体験が高度化していた途上にあり、ユーザーは選ばれた情報に効率よくアクセスできる一方で、偶発性や身体的な関与は大幅に削減されていました。
この効率化された導線に対してあえて逆行するためにURL Lotteryを制作しました。
- WEBサイトとの出会いにおける偶発性を再体験する
- コピーペーストできず、飛び先もわからないURLにユーザーは自ら入力する必要がある
この「非効率」を設計することで、情報取得プロセスそのものに再び主体性と身体性を取り戻すことを試みています。
作品の意義
URL Lotteryは、単なるランダム抽選装置ではありません。アルゴリズムによる最適化が進む現代において、情報へのアクセスのあり方、インターフェースと身体の関係、偶然性と発見の価値を問い直すメディアアート作品です。検索によって答えを得るのではなく、偶然によって出会いを生む。
効率や生産性とは異なる軸で、デジタル体験の本質を再設計する試みと言えます。