『わたしたちはできない、をする。』チケット発売

The end of company ジエン社 番外公演『わたしたちはできない、をする。』のチケット発売情報です。公演概要も併せてご覧ください。


【チケット発売】

2019年12月1日(日)12:00〜
ticket.corich.jp/apply/104539/

 

[参加者予約フォーム]

荒田 幸紀
ticket.corich.jp/apply/104539/005/

池田 衣穂*
ticket.corich.jp/apply/104539/006/

井澤 佳奈
ticket.corich.jp/apply/104539/007/

梅永 あん
ticket.corich.jp/apply/104539/008/

梅津 佐知
ticket.corich.jp/apply/104539/009/

大城 美天季*
ticket.corich.jp/apply/104539/010/

草薙 彩那
ticket.corich.jp/apply/104539/011/

小林 耕平
ticket.corich.jp/apply/104539/012/

小林 駿
ticket.corich.jp/apply/104539/013/

こばやし帝国
ticket.corich.jp/apply/104539/014/

佐藤 紬衣
ticket.corich.jp/apply/104539/015/

新海 有己
ticket.corich.jp/apply/104539/016/

春原 愛良*
ticket.corich.jp/apply/104539/017/

彩葉*
ticket.corich.jp/apply/104539/018/

中條
ticket.corich.jp/apply/104539/019/

中村 愛香
ticket.corich.jp/apply/104539/020/

波多野 伶奈*
ticket.corich.jp/apply/104539/021/

土生 野乃花
ticket.corich.jp/apply/104539/022/

林田 真依*
ticket.corich.jp/apply/104539/023/

藤家 矢麻刀
ticket.corich.jp/apply/104539/024/

瞳*
ticket.corich.jp/apply/104539/025/

松浦 みる
ticket.corich.jp/apply/104539/026/

渡邉 素弘
ticket.corich.jp/apply/104539/027/

*印の役者は本番に参加しません

 


 

【公演概要】

 

[とき]

2020215()-16(4ステージ

215日(土)1300*  1700*
216日(日)1300   1700

*印の回はアフタートークを実施します(20分程度)
受付開始は各回、開演の45分前、開場は30分前。

 

[会場]
神奈川県立青少年センタースタジオHIKARI
220-0044 神奈川県横浜市⻄区紅葉ケ丘 9-1

 

[チケット]

一般    2,500
U-22    2,000
高校生    500
当日券は各500円増

U-22と高校生はご来場時に証明証をお持ちください。
全席自由

 

[参加]

荒田幸紀
池田衣穂*
井澤佳奈
梅永あん
梅津佐知
大城 美天季*
草薙 彩那
小林 耕平
小林 駿
こばやし帝国
佐藤 紬衣
新海 有己
春原 愛良*
関 彩葉*
中條
中村 愛香
波多野 伶奈*
土生 野乃花
林田 真依*
藤家 矢麻刀
*
松浦 みる
渡邉 素弘

印の役者は本番には参加しません

 

[スタッフ]
構成演出  :  山本健介
プロデュース :  かまどキッチン
舞台監督  :  秋田優里
音響    :    近藤海人
照明    :    佐々木夕貴
制作    :    加藤じゅんこ
総務    :    吉田麻美
宣伝美術  :   波香らい
イラスト  :   坂田機械(かまどキッチン)
写真    :    刑部準也

 

[主催]
神奈川県
The end of company ジエン社

 

[あらすじ]

できないことを、できないままにしてしまって、

できると思っていたことは、どんどん遠ざかっていく。

一方で、それができてしまった時、わたしは、

できなかった頃のわたしに、二度と逢えないんだろうか。

×  ×  × ×  ×  × ×  ×  ×

  わたしたちはできない、をする。日々している。わたしたちはできない。できないのに、そこにいる。

  できない人達による相互互助を目的としたこのセンターに、比較的年齢の若い人々が集まっていた。

  仮にここを、「できない園」と名付けてみようか。

「できない園」は、本来は自由に居る事ができる。また本人の意志で、今すぐここから居なくなることもできる(基本的人権のため)。通いの人もいるが多くは住み込みで。自分のできなさを他の人に見せたり、見せなかったりしながら、そのできなさを、「できるようになる」か、「できなくてもいいようにする」か。

  とにかく「この状態ではないよう」にするために集まり、ここにいる。

  たとえば彼は、傘をさすことが出来ない。

  たとえば彼女は、定食の小鉢を、バランスよく順番に、少しづつ、を食べる事が出来ない。

  あそこにいるあの人は、歌を歌うことはできないが、『身内相手に米津玄師の歌を歌う』ことはできる、という。

  そして遠くいるあの子は、彼氏が出来ない。彼氏が出来なくて、彼氏の作り方を尋ねたり、調べたり、ここで、毎日。そのうち、何もしなくなり、施設内でもっとも日の当たる、あの場所に、ただ居るようになった。

 今日はその場所に、佐藤君がいた。

「できるようになりましたか?」

……ないです」

「ない?」

「ないです」

「できることが?」

「嘘、つく必要ないじゃないですか」

 わたしが担当している佐藤君は、よく「ないです」と言う。

(ちなみに佐藤と言うのもあだ名で、ここでは皆に特に名前を言う必要ないから。正直誰が誰だか、本当にその名前が正しいのかすら分からない。ハンドルネームみたいな奴もいる。なんたら帝国、とか)

 彼は、さまざまな事ができない。それを佐藤君自身は、わかっているのかどうか。彼を「複合型のできなさ」とも言う人がいるがそれ、誰が言っているんだか。

 わたしはそのできなさに対し、できるようにさせるような資格も技術もない。ただ週に一度、彼の話を聞き、報告書を作る。そして上の人……上の人って誰だ……? 誰にかわからないが、わたしの書いたレポートは、誰かに読まれる。

 だが、彼の話を聞くのは難しい。会う事だってできない事が多くて。何週か「面談実施せず」の報告が続き、そろそろ報告書をまとめたいと思っている。

「ないです」

  何がないの?

「ないです」

  それはなにが? できることが?

  佐藤は不意に立ち上がり、わたしには出来ないような綺麗な早足で、日の当たる場所から去った。

  待って。

  声をかけようとするけど、それはできない。わたしにはできない人に、待てと命令する権限はない(基本的人権があるため)

  じゃあ、わたしはどうすれば、佐藤君から、佐藤じゃないかもしれない君から、話を。

  なんの話を?

  わたしは、佐藤君かもしれない人と話をすることが、まだできない。