ニッコロ・マキャベリの日本改造計画

かつて「目的のためには手段を選ぶな」と説き、近代政治思想の祖とまで呼ばれた男がいた。その名は、ニッコロ・マキャベリ。『君主論』の著者であり、「マキャベリズム(権謀術数主義)」の名の由来でもある。だがそのマキャベリが、2025年の日本に転生してきたとしたら?高度成長を夢見た遺伝子と、失われた30年に飼いならされた政治、衰えゆく経済力と分断された社会──マキャベリがこの国を見たら、何を考え、どんな政策を打ち出すのか。本書はそんな“もしも”から始まる政策シミュレーション集である。

Nikkoro

シミュレーションで描く、極端な未来

本書では、マキャベリが“政策担当者”となり断行する大胆な政策の数々を紹介する。
いずれも思考実験であり、社会風刺でありながら、決して荒唐無稽ではない。
たとえば──「停止中の原発を再稼働させ、すべて仮想通貨マイニングに振り切るエネルギー政策」「政治家をアイドル化し、「推し課税」によって税収増加を図るポピュリズム戦略」「企業の国内資産をすべて外国に売却し、国家のリセット資金にあてる経済リバランス案」「幸福を数値化し、全国民に幸福KPIを設定させる自己責任型の福祉制度」

それぞれの政策について、「グッドシナリオ」と「バッドシナリオ」の両方を描き、分岐点がどこにあったのかを分析する。現実の政策とは異なり、マキャベリにとってはタブーも忖度もない。大企業も高齢者も官僚機構も、国家の存続に不要であれば切り捨てる。だからこそ、そこにあぶり出される何かがある。

本書は、あえて過激な提案を次々に描く。それは炎上目的でも社会への挑発でもない。むしろ逆で、あらゆる現実的な制約を一度外してみることで、本当に必要な構造改革とは何かを見抜くための実験装置だ。理想を語ることは易しい。だが、冷酷な現実と向き合いながらも、それでもなお「この国にはまだ可能性がある」と言える者だけが、未来を語る資格を持つ。
あなたは、その覚悟を持てるだろうか?ニッコロ・マキャベリと共に、日本再設計の旅に出よう。

尾羽慶一郎

80年代生まれ。社会と人間を考察する詩人