ともあれ、新しい生活が始まっている。
都内への移動は余裕を持って2時間で勘定。基本的に千代田線に1時間以上乗る。読書も捗る。近隣に飲み歩きできるお店はそう多くはなく、外食と外飲みの機会は大きく減った。
イタチが出る夜道。家の隣に果樹園。
一日町にいると、時間が進むのが遅い。
交通は不便。広くなった空で落ちて行く残暑夕陽は、上京する前の懐かしい感覚を呼び起こす。
実家も近いしね。
あの頃の不便と不自由が、今は不快ではない。静かで、穏やかで、慎ましいこんな休日を、ずっと探していたのかもしれない。
そう思えた。
何かとネガティヴだったあの頃には、
想像できなかったストーリーを歩めているのは幸いという他にない。
洋服を長袖に変えれば、もう夏も終わりで、今年の秋もゆっくりはできなそう。
踏みしめてる?
そう思えてるよ。大丈夫。
だからまあ、いいや。

パンケーキ、2皿。