いたれり

祖母の法要で、博多に行ってきた。
美和台は相変わらず潮の街で、東京とあからさまに違う風が吹く。
祖母が亡くなったのが2011年の6月。もう6年も経っていた。
潮の街は今も昔も、壁が傷んだまま時間が止まったようだから、おばあちゃんの前で俺が幾つになっても小さい孫であるかのように、自分自身が何も進んでないような気がする。

本当は色々あった。
ドイツにいたこと。会社を始めたこと。その他のこと。
祖父の書斎で、ポートフォリオを更新しながら、そう言えば3年前に訪れた時もこの作業をやっていたことを思い出した。イラレ作業も早くなったもんだ。

縁側で父と酒を飲んだ。
通年よりひと足早くやってきた夏が、優しい黄昏と斜陽を連れてきて、いい時間だった。祖母も祖父もそこにいただろうか。



法要のあとは、壱岐と対馬に行った。
本当はそこあそこに行きたいスポットは多くあったのだけれど、忙しく回るのもなんだし、「辰の島」という無人島と、ウニ丼に目的を留めた。遠くに来れただけで、満足だった。

博多港からフェリーで2時間。
海慣れしていない身としてはこの移動だけでなかなかアミューズメント。
壱岐で下船して、宿に着いたらゆっくりと、それでいてあっという間に日が暮れた。海鮮の食事が美味しかった。
不思議な島で、美味しい食事と温泉に入り眠る夜には、不思議なしあわせがあった。


チェックアウトして島を北上、「辰の島」に他の観光客はおらず、贅沢な風景を独占できた。


エメラルドの海と断崖絶壁。白い砂浜と高台から一望できる絶景。
本当に来れてよかった。


ウニ丼を食べて島を移動。
壱岐からさらに2時間かけて対馬へ。
計算外だったのは、対馬から博多への帰りのフェリーの少なさで、計算すると朝9時のフェリーに乗らなくてはいけないようだった。やっちまった!対馬を観光する時間ほとんどない!

対馬に着いたのは夜になってから。
宿坊にチェックインして街にでる。なんというか、京都と熱海が混ざったような雰囲気。ここのところずっと海鮮を食べ続けたので、さすがに肉が食べたくなり夕食は牛とじ丼にした。
そそくさと宿に戻り、風呂に入って寝る。
早朝に座禅会が開催されていたので参加。宿坊ならではの体験。


翌日は、フェリーで対馬から博多の4時間、まったりと移動。
昼過ぎに博多に着いて、空港から成田へ。最終日は一日中移動だけだった。

以上が、遅めのゴールデンウィーク。
満足。実際は多少仕事もしていたけど、東京をこんなに離れたのは久しぶりだった。
そしてまたむくむくと、旅の楽しさを思い出すことができた。



家の近所のラーメン屋の塩ラーメンが美味しい。
聞けば、対馬の特別な塩と醤油を使っているそうで、その値段が馬鹿みたいに高いということだった。
調味料が変わるだけで、料理は格段に変わる。下手な高級店に行くより、高い調味料買った方が贅沢のコスパがいいというのは、父から教わった大事なこと。

生活は、どうだろう。
毎日ひとつ、楽しみなことがあるだけで、生活は瑞々しくなる。などというと、論調として飛躍しすぎだろうか。君との電話のことを言ってる。

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