俺の右目の眼窩には女の子が住んでいて、そいつの所為で視えない。
俺が4つの時分から住んでいるのでもういい加減長いつきあいだ。
最初はものすごく疎ましかったものの、それが20年以上ともなると「そういうものだ」で済むから不思議だ。
頼むから出て行ってくれと感情的になることもなくなった。
「だって居心地がいいんだもの」
そう言って、彼女は本をよんだり音楽を聴いたりしている。
彼女がヘッドフォンをしないで音楽を聴く時は最悪だ。頭蓋に音楽が鳴り響く。
その音楽がクラシックなジャパニーズヒップホップだった時はなお深刻だ。
「お電話代わりました岡崎です。イェア、最強のラップ見せる。日々磨くスキル。お前にリリック刻む」
「もしもし岡崎くん?WEBの更新お願いしたいんだけど」
「YO、口だけのワックMC皆殺す」
「あれ?岡崎君だよね」
「イエスイエスYALL、覚えとけ俺が岡崎」
お得意先にラッパー口調で対応してしまった結果俺はその年減棒をくらった。さすがにそのときは激怒した。
そんなことも何度かあって、彼女は未だに俺の右目に住み続けている。
「あたしがいなくなったら、寂しいとおもうよ」
「そんなわけないだろ。視界が広がる。免許も取れる。まっとうにいろいろなものが視える。いいことずくめだ」
「そうかなあ」
彼女はもう出て行く気がないらしい。俺もあきらめてる。
彼女がいなくなったら果たして俺は寂しがるだろうか。その点ははなはだ疑問だ。
まあ、迷惑が降りかからなければ、居させてやってもいいかな、と思う。
どこから手に入れたのか、彼女は最近シンナーをやるようになった。
この文章を書いてる僕の右目のなかでもくもくと吸ってる、書き終えたら怒るつもりだ。
彼女がシンナーをやると御ロロロロああフェどぇヴぇ迂vbfdjfbJfdfdfDikfvndsknkn fjd jbjfdvbjb
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