棘の茎も、ガラスの破片も、苦もなく受け止められる、そんな真綿のような心を持ちあわせていたい。
いつしか誰かを丸々包めるような布団サイズになるために、経験のなかで他からすこしずつもらってこよう。
やわらかいだけじゃ長持ちはしないし、丈夫さも必要なんだろうし、肌理細やかな上質なそれになるのにはけっこうな工程がいるかもしれないし、とにかく一朝一夕にはいかない。
感傷に濡れては日向で膨らんで、花の匂いでも帯びるならなお良い。彩りがあるのも悪くない。
ちゃんと膨らめているだろうか。
笑うあなたはたまに嘘つき
返す私もたまに嘘つき
眠らない夜はどれくらい?
風は吹くままに押し黙る
本当の答えを知る時は
あなたと私の空の下
何も言わない花をあなたに
星の見えない夜をあなたに
消えない想いはどれくらい?
雨が降るままに流すので
本当の答えを知る時は
あなたと私の空の下
夢でなら それはすぐに
柔らかな あの場所
眠らない夜はどれくらい?
風は吹くままに押し黙る
本当の答えを知る時は
あなたと私の空の下
風の吹き止んだ青空に
知らない言葉があればいい