heimwehkrank

一週間がたった。
いまだ夢見心地で、異世界にいるようなギャップがぬぐえずにいる。
端末越しにしか日本語は目にしない。

旅人の多い町には特有のゆるさがある。
「お互いの細かいこと気にしてもしゃーないっしょ、受け入れあってこう」という雰囲気は錯覚ではないと思う。
いろいろな事情の、いろいろな思想の人たちがうまくやってる。
もちろん中には諍いだってあるのだろうけど、お互いの差異をお互いで削りあうより、お互いで受け入れあったほうがどっちにもいい、ということを思う機会もたびたびある。

だから英語が苦手でもみんなわかろうとしてくれて楽。

昨晩アパートに遊びに来たアブラハムはセネガル出身の黒人。レゲエとヒップホップが好き。
セネガルで一番暑いというヒップホップを教えてくれた。

アブラハムには7人の子
一人はのっぽであとはちび
みんな仲よく暮らしてる
さあ おどりましょう

Abraham has 7 children.
One is tall,others are small.
They lives together happily.
Hey Lets dance

と日本の童謡の歌詞を説明すると「Very good song」と言っていた。
たしかに!

* * *

ベルリンは非常に鶏肉がおいしい。
詳しい人の話では、日本の鶏と育てられ方が違うそうだ。
どこで育てているのかは知らないけど、広々とした養鶏場でのびのび育った鶏にはストレスフリー故の筋肉の柔らかさがある。

町の中の鳥は低空飛行が多い。
空気がきれいなのか?カフェのテラスのテーブルにひょいと留まる。
そういうゆるい日々をすごしている。

それでも、醤油と味噌と米がくいたいとか、湯船につかりたいとか、そういうホームシックもある。
日本恋しさ。何せはじめて来た海外なのだ。
享受する快適さと同じくらい、日本への距離は感じていて、
こころというのはほんとうに不思議だ。
1日に5時間しか帳の下りない町の、短い夜はたくさんの人たちのホームシックをも孕んでいる。

まだ英語が弱いんだ…って話をするとほとんどの奴が
「あせらないで、ゆっくり自分のペースで身につけていけばいいよ」
と言ってくれる。

言語だけじゃなく、感傷もゆっくり。

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岡崎龍夫
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〒150-0001
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1,000円

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