noine – Giron’s short storyがリリースされました。

個人的にはいう意味ですごく「日本的」なニュアンスを感じる作品集。メルヘンでロジカルなショートストーリーを紡ぐ作品です。
よろしくよしなに。
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ソファはもうない。
テレビも本棚もテーブルもプリンターも鏡も冷蔵庫ももうない。
それらを使った俺も、もうすぐ、ない。
残像を至る風景に残したせいで、東京はどの街も半透明のかつての俺ばかり。
半透明でないほうの俺は果たして、鮮明に居られているかね。
そうでもねーな。いつでも揮発できるように生きてる。
誰の記憶にも残らないほど鮮やかに消えてしまうのも悪くない、という歌詞に惹きつけられる反面、
居続けたい場所も確かにある。
最近はひたすら部屋の片付けと、色々挨拶。そんな長くいくわけでもないんだけどね。でも乾杯の理由になれるのはうれしい。ありがたくある。
梅雨がきらいなので梅雨を避けるように旅立つことができそう。
多摩のこのあたりの残像と、また会えますようにと、そんな思いで最近は暮らしている。
