


桜を見に行く。
今年も時間を作ることができた。毎年靖国神社の桜は必ず見に行くと決めている。くだらないこだわりだけどそうすることにしている。
大学の入学式は武道館だった。入学式を終え、大学まで靖国を横切って帰った。満開の桜吹雪で神社の中で迷った。
見渡す限りの桜。
地獄のような桜。
淡桃色しかない回廊。
夢のようなとしか言いようのない光景に思えた。大袈裟に言っているわけでは決してなく。
もしかしたら未だに夢の中で
などという少女じみた空想はしない。
あの日に帰りたい
などという憔悴もない。
現在を大切にするため必要な気がするだけのこだわりなのよんはははん。
満開。
太平洋戦争が侵略戦争だとか、分祀しろだとか。日本の春のすばらかしさにくらぶれば二の次。
満開。
きっと、来年も。
以前書いた脚本の中で我ながら好きなせりふ。
「これからも、東京でやってくわけだし。やってくしかない、わけだし。」
そういうわけだし
カツオだし
タツオだし
風強え。