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そいつは曖昧な姿のまま現れつきまとう。まとわりつく。その姿が曖昧であることは鮮明にわかる。俺は白日の国道沿いを郵便局にむかって歩いている。曖昧なイメージが足に絡まる。つまづきそうになる。曖昧は増幅してこころのほとんどを蝕んだ。郵便局に行く道の上で足を止めてしまった。
あれ?
あれ、なんだっけ?
四角いやつ
四角くて
持つやつ
名前なんだっけ?
うわ!なんだっけ!?
四角いやつ
四角いやつ!
違う、四角い…
ああ!そうだそうだ。
「オカモチ」だよ。
そっかー
そして、また歩き始める。郵便局が遥か後方に遠ざかっていくのを、知る由もないまま。
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分かる知ってる何も知らないこと
見えてる知ってるただ少し知ってること
頭の作る見事な失敗作ケーキ
デブな太陽
続く続いてくように見えるもの
僕なしで世界は始まり世界は終わる
欲ぼけ王のヒーロー気取り
明らかに君とはほぼ関係なく世界は回る
そろそろ新しい恐竜になりたい
そろそろ新しいインデアンになりたい
そろそろ新しい惑星になりたい
そろそろ新しいシステムが欲しい
だけど
ツジコノリコ「gift」