弟のこと

弟が用あって仕事場の近くに来たというので、昼の休憩中に食事をする。

最近知ったのだが、ラーメン屋とラーメン専門店という2つの括りがあって、やたら甘い玉子丼を出してくるのが前者、激戦区で激戦してるのが後者であるらしい。前者にいった。

まず「太ったな」と言われた。タバコの重さと本数とが激減したからか。なら太り始めたのは最近だ。

二人ともカレーを注文する。いつからかラーメン屋でカレーを注文する自分たちの邪道っぷりに酔うようになっていた。地元の三郷ではこれのせいで「邪道カレーのドラゴン兄弟」と恐れられた。

「おい。そんな思い出はないぞ。」

そして弟は相も変わらず俺の淫靡な空想に茶々を入れるのだった。

ラーメン屋のカレーはラーメン屋のカレーの味がする。それはそば屋のカレーとも定食屋のカレーとも、ましてやカレー屋のカレーとも異なるラーメン屋特有の味である。可も不可もない、日本人的な味である。

弟に相談されたことに溜息混じりに答える。

「あのなあ、そのアムウェイって会社はな…9割9分損こくぞ。」
「知ってるの?」
「常識じゃぼけー」

弟はこんな俺よりも世間を知らない。やばいもんにひっかからないかが心配だ。とりあえず、絶対断るように、断れなければお前の首を岡崎断つひろだぞと、伝える。

お互い時間もないのでそのま別れる。別れ際に「俺周りには自分は一人っ子っていうことにしてる」と告白すると「俺も」と笑いながら言いやがるのでむかついた。

「なんでよ?」
「兄ちゃんポンコツだからね~」
「ごめん。」
「そっちこそ何で?」
「龍大はガラクタだから」

今日の昼食はコッペパンでした。兄弟のいない俺はそんな風景とラーメン屋のカレーを思いながらむぐむぐ食うのでした。終わり。

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