五日目 台東区でアムンゼン

3時間しか寝れなかった。
起き抜けに観たテレビに若槻千夏が出ていてかわいいと思った。
公演は今日も2ステ。公演の後で、後輩S井となか卯で一杯やりながら飯を食う。
彼は酒がすぐ顔に出る体質なので、なか卯で赤くなっている。

新宿でS井と別れてから山手線に乗って帰路につく、筈だったのだが、気がつくと電車は田町。どうやら寝入ってしまったらしい。反対側の山手線に乗る。予定より若干遅めに帰宅する、筈だったのだが、気がつくと、電車は品川。俺は立て続けに二回もディアボロのスタンド攻撃を食らってしまったようだ。

池袋に向かう終電は既にない。残っている電車は上野行きの京浜東北線のみ。
「よし、上野から池袋まで歩こう。3時間くらいでつくだろう。」
そう考え上野に向かうことにする。1時過ぎに到着。改札の外に出る。
上野駅周辺をうろうろしていたら東京住所不定のひとたちの住宅街へ迷い込んでしまった。俺はさしずめ不思議の国のアリスだ。

さむさが執拗にまとわりつく。真っ白だ。夜は色濃い。
上野駅から10分ほど歩いたところで決めた。

「やめよ。」

はい。妥協です。何か?
こんな深夜に寝不足な状態で3時間も歩いて風邪引かないわけないし。
馬鹿じゃないから。(ダブルミーニング)

しかし、財布の中には小銭しかないし不幸にも日曜深夜。
ATMは朝まで稼働しない。漫画喫茶もカラオケも個室ビデオも行けないな。
どうしたものだろう。上野、御徒町間を何度も往復。

「おにいちゃん、本番あり、本番ありよ。」と、ポン引きが話しかけてくる。
「金ないんで。」
もう体冷え切って、ちんこも活動停止やボケ。

ファミレスを探すが一向に見当たらない。仕方ないので、適当に歩く。夜はさらに更けるし、風はさらに冴える。眠たさに意識も朦朧とする。無性に人恋しくなる。人気もなく、まるでゴーストタウンみたいだ。過酷な南極探検をしたアムンゼンの気持ちがよくわかる。

2:40 南極点然り、ジョナサン発見、到達。(蔵前店)
入店して席についてドリンクバーを頼む。その後の記憶はない。
気がついたら時計は朝7時を回っていた。

昨日はそんな一日。今日もがんばろう。

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1,000円

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