新宿で候

Nぺと飲む。
気がついたら一人で語っていたように思う。何より帰路でてのひらが悴んだことに寂寥の念を覚え色々な人に電話なり、メールなりをかけまくる。誰も捕まらず大人しく帰宅したが、どうしようもないさびしんぼうだ。たまにはこんな日があってもいいと思う。たまにじゃねえか。

キノコの夢を見る。

早く起きたので、家の整頓をする。
テレビをつけると高校のときに血尿を止めてくれた病院が医療ミスで叩かれていたので少し複雑な気持ちになった。新宿に仕事の面接に行く。履歴書をはじめて書いたのは幾つのときだったかしら。もう何の新鮮味も感じない。
面接が終わる時にはすでに日は落ちていた。しばらくふらつく。ばったり後輩のS井と出くわす。聞くと暇をもてあましていたようなのでコーヒーをおごる。S井はよく笑う。屈託なく笑う。屈託なく笑う女性はおそらく日本が今後どうなっても未来永劫モテるのだろう。そして前途多難なんだろう。
19時。S太郎と落ち合い、やまだまほ(やまほ)と三人でお茶をして、世界堂に行く。なんか面白三人だなこりゃ。緊張しまくりのS太郎がかなり面白い。

世は凡て事も無し。悲しいニュースは絶えないけど。

S太郎と飯を食い彼の家でmixiしてみる。中学・高校の同級を沢山見つけて笑う。いわれのない俺の足跡がついていたらそれは彼の仕業だ。

兎角、早起きは、いい。三文以上ににこにこできた日だった。ラブ&ピンフ。

ところで、もう3年にもなる大切な人の乳腺に腫瘍ができたらしい。
「命には別状ないけどなんかうざったいねえ。」
彼女は笑っていたが、さすがに笑えなかった。手術を促すと、
「ふたつあるうちのひとつは切除したんだけど、もうひとつは結構厄介な場所らしくて、お金がねー」
とへらへら笑って答えた。それ以上は何も踏み込めなかったから、信じてもいない神様に祈るしかできないけど、とりあえず彼女は今日もへらへら笑っている。黙ってポテトを齧った。しょっぱかった。

それでも、世はきっとこともなく、回転して、継続して、いつかすべて良くなるんだろうと、隻眼の眼で思ってみた。

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岡崎龍夫
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〒150-0001
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1,000円

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