黄ばんだ団地の踊り場で
児童の玖珠玖珠球遊び
トウの昔に日は落ちて
暗がりの中に誰かの眼 ワラう
鈴シアンシアンと猫の気配して
振り返ると星の無い空だヨ
ボールの弾む音だけしてる
赤目の鬼が笛を吹く アブナイヨゥ
そういえば
首を吊られた筈なのに
夏の終わりに佇んでいる
影は何処までもついてくる
時折、勝手なことを言う
ところで
団地にはもう誰も
棲んではいないっていうのに
やれ玖珠玖珠とやれ蛄々と
五月蝿いったらありはしない
暗がりの中に誰かの眼 ワラう