○後輩のえみちゃん(そういえば「月面喜劇」を観たマキルさんが彼女を「好み。」とか言ってたなあ。)が北欧へ留学するらしい。ビールを一杯だけのんで帰る。気をつけていってらっしゃい。
○りんちゃん、じゅんじゅん、しんたろうくんと帰る。僕らはしばらく会わなそうだ。意外にも一番寂しそうだったのはしんたろうくんだった。
いつものように、きらきらの鱗粉をまき散らしながらひらひらと黄土色の蛾が軒先の街灯と戯れていた。いつものように、雑誌を枕に音楽(後輩から借りた椿屋四重奏)を聞きながら呆けた。いつものようにきっと全部は上手く行き、きっと全部は上手く行かない。大気圏にはエーテルっていう物質が漂っていて、その物質こそが万物の礎なんだって。この漠然たるやるせなさはなんだろう。呼吸を探して寝る。