家のまん前で事件が起こったらしく、窓からパトランプの赤い光が入ってくる。ひどく落ちつかない。
あまりに消沈している自分に嫌気が差したので、東京とんかつにカツ丼を食べにいく。
しゃべり場の再放送を見る。自分の主張を伝えることに躍起になっているから話は堂々巡りしている。
外で無線で話す警官たちの声が聞こえてくる。彼等は僕を確保しに来たのかもしれない。洗濯場に置いてある他の住人の洗剤を無断で使いまくっているのがばれたのかもしれない。不安になる。もし投獄されたら、モノマネを覚えよう。
眠れない日々が続く。呼吸の苦しい夜が続く。誰だってそうだけど、一人でいるところは見せられたものじゃない。僕ら魚の群れはユートピアを目指して行く。全て肯定的に許容される世界を。いつか辿り着く気もするし、そんな場所など存在しない気もする。
家のまん前で事件が起こったらしく、窓からパトランプの赤い光が入ってくる。ひどく落ちつかない。