面接を受けに行く。
その会社は新宿の南口から徒歩10分、煉瓦作りのマンションの中にあった。やたら煤けた建物で、怪しげな教材販売や英会話教室が軒を連ねている。何よりヤクザが多い。嫌な予感がした。事務所はやたら狭く小ぎたなかった。乾いたOLが電話を書けている。乾いた中年に座って待つように言われ待っていると、乾きかけの社長が出てきた。話を聞くと、不動産の契約をとる営業のバイトらしい。それも、隙間産業だ。
僕はこの仕事を愛せないだろう。愛せないものを見知らぬ人に買わせることなんかできないよ。
せめて胸を張って「無理です。」とだけ伝えると、乾きかけの社長はにっこり笑った。
夕方、多摩美出身の劇団方眼紙のお手伝いへ。久々に芝居を見る。気分としては、脂っこい物語は見たくなかったのでギャラリー芝居はちょうど良かった。
劇団方眼紙企画「恋踏み『ルワンダ』」観劇
さっぱり見れた。構成が丁寧で話も面白かった。今まで会ってきた美大生・美専門学生の多くに感じる「芸術してるんですー」感、「青山のカヘよくいくんですー」感、「オレンジペコー」感がどうにも嫌いで、やはりこの芝居もそれを感じたが、でもよかった。
美大、どんなところなのかしら。入ってみたくある。
夜、久々に、増田君と持田とあるじに会う。
まめチャンネルはまめチャンネルで大変そうだ。
「まあ、俺ほど人生を謳歌している人間もそうそういないよ。」
主宰はそう言って、夜の多摩川に入水した。
あるじ宅に泊まる。
業田良家「自虐の歌」と新井英樹「宮本から君へ」を読んでテンションがあがる。人生について考察しながら眠る。