越谷だとか 池袋だとか

 画龍点晴大ちゃんに会う。

 点描の路上絵描きだ。活動が順調そうで何よりだ。相変わらずシャブ中みたいな瞳だ。僕はコンビ二飯のような諸々を大学4年間で糧にしていた。人によっては高級な食材のみを糧にした人もいるんだろう。大ちゃんはずっと路上に座って訪れる人のもののみを点描の糧にしていた。だからこそ彼は、つながりの何たるかにつよい認識を持っているんだと思う。

 越谷は案外殺伐としていた。風俗店をパトカーと救急車が取り囲んでいた。今にも人を刺し殺しそうな危ない目をしたサラリーマンに30秒ガンをつけられた。韓国人女性のマッサージを断ったら舌打ちされた。こんなに乾いた町だったっけか。

 南雲宅に宿泊する。

 業田義家「自虐の歌」なんて、渋い漫画が置いてある。僕と同じく、選ばずに蓼食う虫である。この人は変だなあと思う。それより何より楽しかった。詩作をしようと思った。

 池袋でその日知り合った名前も知らない女に「しあわせ?」と尋ねられた。
 聞けば変質者に遭いまくったり、泥棒に入られまくったり、挙句の果てには見ず知らずの人間に通り魔的にタコ殴りにされたり、クレイジーワールド東京にいじめられているらしい。
 「あんたはしあわせ?」
 僕は黙って笑うしかできなかった。そこまでに足りないものを埋める言葉を紡いでんだ。本当にしあわせなら詩なんて書かない。けれど、ちゃんとご飯が食べられて、すやすや眠るだけでそこにはしあわせがあるとも思ったりもする。とどのつまり、幸福論を語るには未だわか過ぎるって言う話。本当にそれだけ。それだけの話。

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1,000円

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