藤原達平。
俺の知る内で、理想とするキ印カンパニーの住人になって欲しい奴らを以下に記す。
不躾で申し訳ない。順不同、敬称略。
南雲将行、谷地村啓、古舘勝義、金成均、伊藤栄之進、福本薫。
藤原君もその一人。
神楽坂でお茶する。演劇の話をする。思えば、彼の制作の芝居に出演したのは丁度一年前だった。一年で岡崎は変わった。と思う。野心つうか、面白いことに貪欲になった。
もっとだ。もっと。
きっと、俺は、今まで卵の中にいて。最近になって、殻の向こうに意識を向け始めてる。
なあ、お前もだろうが。
例えば、後輩などは、俺が熱っぽく語る東方見聞録をどの程度理解しているのだろう。
分からんが、見え始めてる。右目で。
「ところで、愚問だが君は未来に迷いはないのかい?」
藤原達平はくすりと笑った。
「藤原達平ですから。」
迸れ脳漿。もっとだ。もっと。