タクシーに乗ると、人事ツールやマーケティングツールなど「経営者のお悩み解決」的なツールの広告を目にする。見える化は重要だ。それは否定しない。問題になってくるのは「既存のツールじゃだめなの?」という点だ。
例えば自分は、Ubersuggestに契約していて、Google Analyticsのデータの解析精度を上げるみたいなことをやっているが、Ubersuggestに頼らなくても解析は可能だ。ただ、諸々の面倒な作業を省略できるのが助かっている。このツールを使う前提として、こちらに基礎的なSEOの知見があることが必要になっている。
タクシーで広告配信される人事ツール、マーケツールが「かゆいところに手が届く」類のものになるには、そもそもの前提が必要で、マーケ思考が体質として備わってない会社がいくらツールを導入しても無駄だし、人事ツールも同じだ。ちゃんとできている会社が、よりちゃんとできるようになる作用はあれど、ちゃんとできていない会社は何使ってもちゃんとできない。
印象的なCMがあった。無能な企画担当者が映像広告のマーケ戦略や費用対効果などを聞かれるが、無能故にチンプンカンプン状態に陥り、その度にテキトーにはぐらかす。けれどそのツールを使うことで全部が可視化できて有能に!って言うやつ。
いやいやいや!その企画担当者は、ツール導入したってチンプンカンプンだろ。可視化とかの問題じゃないだろ。怠惰な奴は怠惰であろうとし続けるのでそのツールを使い倒さずにテキトーにはぐらかし続けるだろう。
要するに、これらのツールは大概「経営者の神頼み」的なポジションに位置していて、独善的な自己満足を提供する結果に終わると思う。
「進研ゼミで懲りてねーの?」と言いたい。
進研ゼミからのマンガDMを読んで、「進研ゼミで充実した中学生活を!」って乗せられて入会したものの、勉強しない奴はしない。ましてや、リア充になんかなれない。なんかそれと同じ感覚を覚えている。
そういうマユツバツール増えたなーとも思うんだけど、これはどの時代も一定数ある気がする。
WEBサイトなんかも考え方によっては一種のマユツバツールで、「作れば客が増える」という幻想に囚われている人は多い。制作したあとの「運用」というフェーズを考えないと効果は生まない。自分の場合「SEOのためにはこれこれこういった運用が必要です」と説明しているが、聞いてくれていないクライアントもいて、後々「SEO向上しないじゃないか」とか言われると悲しくなる。何遍でも説明するけれど。
俺だって、自分の作ったサイトがちゃんと活躍している様が見たい。
そのための知見提供なら手間を惜しまずやるから、どうか「進研ゼミ的怠慢思考」で依頼をしてこないでほしい。
まとめると、怠慢ってほんと自分の中にいる敵だよなー、って話。