久しぶりの新作リリースです。
pivotone – lainy day
いろいろかまけているうちにまたもないがしろになっていたレーベル運営。
思えばオンラン上で本格的に始動した2011年から5年が経ちました。当時は「ネットレーベル」というカルチャーの盛り上がりもあったのですが、今や音楽のオンライン配信なんて当たり前となり、便乗するような風も吹いていない様子。ただ、レーベルを転がす中で知り合った様々な縁を考えると、金になるならないは差し置いてもやはり続ける価値はあると思う。
問題は作品を提供してくれるアーティスト、デザイナーの方々双方に還元できるものが何かという点で、きっと何をしていこうにも人を巻き込むというのは常にそれを問われ続けるということ。今後も試行錯誤、考えながらやっていきます。
今回のリリースの背景の一つに、昨年、ケシュハモニウムの舞台作品にelegirl labelの楽曲を多々使用していただいた時、リリースした曲を舞台の客席で聴いて、このレーベルの価値を再確認できたというのがありました。
何事においても、終わらせることが一番容易い。始めることはちょっと難しい。難しく、そして尊いのは続けることで、日常はただ過ごすだけで疲弊をもたらすし、数あるつぶてに蹴つまずく。続ける理由の数の10倍、続けない理由は目に入り、この5年の間に多くのレーベルが誕生しては活動しなくなりました。
それでも、たまたま手元に転がり込んできた作品に「いいな」と思わされたら、多少の手間は惜しまず、何かをどうにかしたい。きっとこのレーベルはそんな僕の性分の堆積なんだろうと思います。
口上が長くなってしまった。
「lainy day」の歌詞は相反する様々な事象の中での浮遊感を顕しているように聞こえました。
聞けば松尾スズキの舞台作品「生きてるし死んでるし」からのインスパイアというのもあっといいます。その作品の舞台美術は確か高台が特徴だったと記憶しているので、砂上の楼閣の高台をモチーフにしてアートワークを作りました。空中なのか水中なのか煉獄なのか天国なのか判らないような曖昧な世界、明け方に視界に入る夢か現実か判らないような風景を自分なりに描いてみました。