elegirl × element perspective対談

※ 2011/09/23にnetlable.jp様に掲載していただいたインタビューです。netlable.jpの運営終了に伴い転載いたします。

来たる9月24日にイベント「EPN2」(@上落合SOUP)を行うelement perspective。これまで表立って情報を発信することのなかったこのネットレーベルはどういう存在なのだろうか。今回は、しばらくコンスタントにリリースが続く予定というelegirlの岡崎龍夫氏が、element perspectiveの運営者であるepv氏に聞きました。

まず、簡単な団体概要を

岡崎:element perspective(以下、エレパー)はいつからはじめてるんですか?

epv:2010年の4月1日からスタートしました。

岡崎:サイトに説明がないけど、団体なんですか?

epv:団体です。ただ、ネットレーベルをやってる意識はなくて、一切お金をかけずにレーベルをやりたかったので、たまたまネットレーベルになった感じです。「要素を多角的に検証する」コンセプトのもとやってます。ほんとは音だけじゃなくいろいろやりたいんですけど。

岡崎:elegirlは逆に色々やってたら音のレーベルに落ち着いたっていう。最初2003年に演出家の御笠ノ忠次さんと公演やろうってなってつくったんですけど企画がぽしゃって看板だけ残ったんです。で、僕が周りにいた人とで屋台やったりCDRリリースしたりして遊んでたら、岡崎芸術座っていう劇団に拾われてその運営に数年はいってました。

epv:大駱駝艦みたいな?Webサイト見たけどくせ強すぎ。大好きこうゆうの。

岡崎:そういう経緯もあって、僕もネットレーベルって自覚はそんなにない。たまたま今フリーのmp3でのリリースが続いてるだけ。

レーベルの特徴やコンセプトなどを教えてください

epv:とにかく人間性、アートワーク、イエスマン、顔などもしかすると知名度を上げるためには重要かも知れないファクターを排除した上で、音だけで勝負したい。それだけです。

岡崎:そういうコンセプトだったんですね。

epv:僕はその人が本当はどんな人間なんか知りたくないんですよ。もしかすると犯罪者かもしれない。でもその人からクリエイトされたものは真実だと思ってます。

岡崎:じゃあ本当は対談とかしたくないんじゃんっていう。

epv:そうですね。今しゃべりたいんですよ(笑)。そんな戦略も飽きた(笑)。でも明日から黙るかもしれません。今回は岡崎さんだからなんです。これマジで。

岡崎:ありがとうございます。僕はネットでのリリースについてはすこし懐疑的で、ただ、ネットの可能性は棄てたくないっていう。ややこしいですね。CDとかのフィジカルな作品とかをすごく肯定したい。創作もリリースも簡単にできるようになったからこそアートワークとか企画とかコンセプトとかに手間をかけたい。だからエレパーとはアプローチのやり方が全然違うのかも。

epv:非常にわかりますよ。僕もほんとはCDとかジャケットから完全に作りたい。でもぐずぐずしてないでジャンジャンできたら出して行こう!というのも大事だと思うし。金をどう工面するかが課題ですね。ポルシェ乗りながらあんぱん食ってるヤツみたいに無理してでもほんとはやりたいんですけどね。

レーベルを始めようと思ったきっかけって何かあったんですか?

epv:子供のころからツタヤいってはベスト版つくったりするのが好きで。とにかく僕は自分の好きな物を周りに固めたい性分で。それとプロじゃない人が一生懸命作るものがとにかく好き。だから個人で音楽やってもよかったんですけど自分が好きな音源やアーティストだけを集めた何かを作りたいと思ったんです。じゃあレーベルだろ!てな感じ。

岡崎:ベスト版つくったつくった(笑)
僕の場合は、去年の年末に友達(guillotine hairshaver)が今まで作った曲のCDをくれて、「これは世に出したい」って思ってずっとやってなかったリリースを再開しました。彼がPC全然だめだったから僕が代りにsayonara recordsさんに曲送ってリリースしてもらったんだけど、「なんかちがうなー」って思って、自分で始めた経緯があります。

目標やモデルになってるレーベルとかありますか?

epv:きっぱり全くないです。

epv:自分が見たことない先を見るためにやってるからモデルもない。ただelegirlはね、気になってます。もはやelegirlのリリース作品はエレパーの作品のように好きです。たぶん無音でもいいって言うと思います(笑)。

岡崎:おお、そこまで……光栄すぎる。僕は、レーベルを意識して作品をきくようになったのはレーベルをはじめてからで、「すきなことやってれば評価とか反応はどーでもいいじゃん」っていうのがすごく出てるとかっこいいなあって思わされる。国内でウェブ主体のレーベルだとField Noise Records、lostfrogと、エレパーも。

epv:かっこいいっていってくれるけど、マジで評価無し(笑)。これはほんと申し訳ないんですけど僕が聞いたことあるレーベルてHz records、plumus、ArtLism JP、mAtter、signal_dada、cotofuぐらいで。それ以上は聞けない。通勤も15分ぐらいだし。アルバム通しでなんか聞けないから僕の通勤時間に合わせてep形式のリリース多くしてる(笑)。あとelement perspective略してepだから。

レーベルの運営を始めてから変わったことはありますか?

epv:レーベル始めたぐらいから猛烈に男にモテてます。クセ強い人間に。

岡崎:はじめたら人がついてくるっていうのはありますよね。

epv:でも少しニュアンス違う。たぶん僕がしっかりしてないから周りが「こいつにまかせてていいんか?!」ってがんばる。それがEPNへとつながる。いい流れでしょ?(笑)。

岡崎:いいなあ。東京でマツムラさんががんばってる印象がある。

epv:マツムラさんはね、企画たてるのが好きなんでしょうね!ほんとこの場を借りて言いたいけど、あれはほんとに苦労してると思います。だって自分じゃない大阪のレーベルのために金出してイベントやるんですもの!

岡崎:えー、あれエレパーさんが大阪から「やれ!」ってオーガナイズさせるわけじゃなく。

epv:全然違う!最初彼から「エレパーのイベントやりたい」てオファーされて、僕断ったんです。「お金はもっと有意義に使ってください」と(笑)。ただ、どうしてもやりたいと言われたので、オーナーなしで東京で勝手にやってと言ったんです(笑)。それがいつの間にか9/24にEPN2として、また開催されます。ヤバイです。僕、会社のデスクにマツムラさんの写真貼ってます。

岡崎:のっとり進行中。

epv:のっとりでもいいんですよ(笑)。

epv:最近ほんと人を大事にすることや、そういった行為は必ず周りを引き寄せると確信が持ててきて。周りに生かされてます。完全に。

岡崎:始めてかわったことといえば、外人にびびんなくなった。人を大事にすると周りがついてくるってのはたぶん外人においてもそうで「お前の作品いいよ!好きよ」ってのを伝えられたら、こっちがキャリアなくても向き合ってくれる。

epv:外人引き込むのすごい憧れます。エレパーには無い。けど、初期のアートワークからも分かるように日の丸にこだわりつづけたい。

気になるアーティストはいますか?

epv:sanmiさんがelegirlから出した時メールしたんですよ。あんなかっこいいep出して嫉妬してます!って。

岡崎:sanmiさんきっかけで僕もエレパー知って、聴いたら「お、かっこいい」って。ライブで見た百瀬さんもよかった。

epv:百瀬さんはビジュアル部門担当で(笑)。ただかわいいとか口が悪いのがキャワいいとかだけじゃない。やはり彼がすごいのは音きいたら彼の音と誰もが分かってしまうという所に尽きます。

岡崎:坦々と情報もなくリリースを重ねてく無骨さに惹かれるってのはあります。

epv:そうすか?昔から放置プレイ得意で、好きなことやっていくからついてこいよ!って。例えマンホールの下で光がみえなくても、あがいて、ダサイとこも見せてもがきまくるところも全部見せる、ダメでも何度でもやり直せるやんっていう。常にフルチン。彼女とつきあったら、かっこつけずに早い目に屁こくみたいな。そういうスタンスでやってます。

岡崎:たとえが(笑)。

イベントについてはどう考えてますか?

岡崎:自分でイベント出演はしないんですか?

epv:興味ないですね。僕は貧乏症なのですぐトラックをレンダリングするんです(笑)だからプレイボタン押すだけのfix音源流すライブなんて意味ないし、そんなのでお金とれない。

epv:ただ最近はラップトップでも買って、どこか小さいところでもいいからライブというエレパーの曲を流すDJみたいなものはしたいなとは思ってます。大阪限定で。elegirlはイベントしないんですか?

岡崎:冬あたりに構想中です。去年、20人でいっぱいになる駄菓子屋で「誘宵」っていうバカ企画をやってて、身内イベントだったけど今思えばかなり素敵だったんじゃないかなって。リリースするようになってイベント開催への考えは変わったんですけどやるなら唯一無二のものにしたい。

epv:「誘宵」って名前がすでにステキ!ぜひ冬やってくださいよ。パスカルも呼んで(笑)。マジで僕もやりたくなってきた。ただ、僕興奮すると壊すんです物を(笑)。ライブハウスでは必ず電源きられてたし。ほんと普通になりたい。

岡崎:ひでえ。そんなあぶないやつなのか……。

終わらせ方を考えてる

epv:でも、結構悩んでますね。どうエレパーを終わらせるのかを。

岡崎:え、そんなネガティブな。

epv:ネガティブじゃないですよ。カタログナンバー000てやってるレーベルで100枚まで出してるヤツなんてあんまりいないと思うんです。サイレントポエツ&HIBAHIHIなんか001で終わってる。だから絶対やる。くだらないですけど。これもレーベル始める前から考えてます。終わるために始めたレーベル。

岡崎:100作品で何か形になってたら、こち亀みたく形が定まらないままだらだら続けるよりいいかもしれない。

epv:でも、いいリリースに恵まれたり、知名度があがるにつれ、出すのを遅らせている超変態音楽を含めると100なんか平気でいく。いい悩み(笑)。人それぞれやりかたがあるとおもいますけど、どうせなら「FIGHTCLUB」みたいに壮絶に終わりたいです。もしくは「コミック雑誌なんかいらない」の内田裕也みたいな。

最後に、今後の活動を聞かせてください

epv:えっーもう終わりですか?じゃあ告知を。EPN2というイベントが9/24 SOUPで行われます!!

epv:ライブメンバーはYukiMatsumura、sanmi、SHOMOMOSE、Itsuqi Doi、DUB-Russell、Pakcheee+wk[es] DJはFRUITY、VJはVacant Encephalonです。
とうとうこんなメンツがきてしまったか!という感じで、これ国民行事に認定されてるんで国民の義務ですよ!で、EPN2の予習編としてライブメンバー6人の着信音やら壁紙をまとめたものをスポット的にリリースします!

それと、あまりごちゃごちゃ説明はしたくないのですが、以前にやったhopeというコンピレーションの第2弾を9月中にリリースするつもりです。愛にあふれたすばらしいものになっています。メンバーもベストメンバーです。ここら周辺の人だけに聞かせるオナニーアルバムじゃないです。音楽に興味が無い人でも楽しめるものになると思うので楽しみにしててください!
60歳の奥様からかわいー女の子まで、いいと評判です(笑)

岡崎:elegirlはまもなく新作が2作発表できます。この2作に関しては僕も創り手も長い時間待ってて、煮込みまくった企画なので、ようやく発表できるのがうれしい。是非聴いてほしいです。とりあえずあと6作コンスタントにリリースが続く予定です。
twitterフォローしたり曲をダウンロードして町の女子に流行らせたりしてもらえたらうれしいです。

(2011年9月某日)

インタビュイー

epv

大阪拠点のレーベル、element perspectiveの運営者。2010年の活動開始から着々とリリースを重ね、これまでに作品数は70作を超える。2011年からイベントEPNを開始。https://elementperspective.tumblr.com/

岡崎龍夫

東京拠点のレーベル、elegirlの運営者。音楽レーベルとしての活動は2011年から。
国内外問わずバラエティに富んだ作品のリリースを重ねる。
https://elegirl.net/label/