藍色2 8月21日(日)19時
『かえる』
於・みらい館大明、工作室
約50分、無料、要予約
脚本・演出
遊佐亮太
出演(全員 新旧劇団森団員)
大矢文 / 小笠原梨奈 / 荻原永璃 / 新上達也 / 田中香 / 手間本千歩 / 成生淑恵
根岸友音 / 間渕由貴 / 三木康子 / 吉田恭大 / 綿貫美紀 / 遊佐亮太 / 他
演出より
フジファブリックと宮沢賢治と中原中也を足して割らない感じです。夏休みの夜の学校と今の
自分がテーマです。分かりやすくて普通に面白い感じを狙って作っています。
特別対談 遊佐亮太×西尾文
構成・吉田恭大(202工房)
遊佐 対談を載せたら面白いかな、と思ったの。最後のほうに。
西尾 なんで?
遊佐 なんでって言われると困る。でも僕だったら西尾と遊佐の対談読むよ。
西尾 それは遊佐だからでしょ。
遊佐 いや、僕じゃなくても、下井は読むと思う。あと龍夫さんとかね。ま、そういうことで。「かえる」です。
西尾 たのしみですね
遊佐 たのしみですよ。
西尾 けっこう準備期間長かったよね。
遊佐 2月とかだったからね。僕が2月に唐突に、ちらっと芝居やったわけですよ。それで、よっしゃ次なんかやるぞ、って西尾にメールして、動きました。
西尾 けど全然決まらなかったよね。最初の2、3カ月。
遊佐 なんかやろう、なんかやろうとは言いつつ。時々合って、喰って飲んで、わーきゃー言って、その繰り返しでしたけども。
遊佐 最初、神田川沿いのギャラリーとかでやろうかと思ってたんですよ。で、五月くらい、自転車で色々走りまわって、都電に乗ったりして。それで、たまたま自転車で走ってたら、にしすがも創造舎っていう廃校の小学校に出て。そういえばこういうのあったな、と思って、いくつか小学校で探してみて、西巣鴨とか、前にカゲヤマ君がやっていた世田谷ものづくり学校とかもあったんですけど、みらい館が一番使いやすいってことになって、それで会場が決まりました。
劇場を探すのと並行して、内容も考えてたんですけど、結局二人でやる内容を思いつかなかったんで、何人か誘おうか、ってことになったんですよ。最初は大矢・小笠原とか、3人くらいを考えてたんですけど、誘い始めたら楽しくなっちゃって、できるだけ呼ぼう、ってことになりまして。
西尾 それで、働いてる人も誘おうってことで三木と成生も誘って。最初、企画の段階の遊佐さんからのメールで「働いていても演劇ができることを証明したい」って話があって。私も遊佐さんも、演劇してるからバイトでなんちゃらかんちゃらだらだらやってる、ってのが大嫌いなので、そこにはちゃんと共感してやってるんですけど。
西尾 今回出来てるかどうかは別として、すごく楽しくやれてる、ってのはあるな。お芝居したりものを作ったりってのが楽しい、ってひしひしと感じるね。
遊佐 それはうれしいね。僕にとってはそれは成功ですよ。
西尾 大学の頃にやってたのとはまた違う感じで。
遊佐 この感じは、今だから楽しめるよね。我々は。今回の、金曜日現在ので出来は、本番これくらいできればいいな、ってのを百点として、二十点くらいですね(笑)まあ予想した通りなんですけど。
西尾 人数が全員ちゃんとあつまるのが日曜というね。きっと日曜の朝から詰めて詰めてやるんでしょう。
遊佐 でもね、今回台本結構自身あるよ(笑)
西尾 自信ある(笑)
遊佐 言うけどね。演出も踏まえてね。台本、結構いいと思う。
西尾 あれだよね。もう知ってる人たちばっかりだから、その人その人のポジション的には、しっくり来すぎてておもしろいくらい。
遊佐 当て書きっていうか、役者そのまんまだからね。
遊佐 このまえ富川さんと4、5年ぶりに会いまして。変わってないなあ、って。なんかさ、能理子連れてくるかも、って。
西尾 本当?
遊佐 能理子にとりあえず連絡してみるって。
西尾 それはうれしい。
遊佐 だからもしかしたら、会えるかも。
西尾 会いたい。もし会ったら私泣くね。泣く。
遊佐 泣く?
西尾 だって何年会ってないんだろう。多分5年かそのくらいは会ってないし。
遊佐 なんかみんないなくなっちゃったもんね。何がいけなかったんだろう。
西尾 別にいけないとかじゃないんだけどさ、だから今の下の代の子とか結構ちゃんと残って、みんなでやってるの観るとすげえな、って思う。だって最終的に(森に)残ったの、下井は先に卒業しちゃったからさ、結局2人だけで。なんかね。
遊佐 なんかね。うん。
遊佐 新人さんがね、一杯入ったんですよ。22だか21人だかね。
西尾 ああ、森の新人さんね。
遊佐 後輩なんだな、って。
西尾 会ってるの?
遊佐 結構会ったよ。しょっちゅう行ってるからね。
西尾 それはどうかと思うけど。
遊佐 いやいや、僕がしょっちゅう行ってなかったら、(今回の公演)できなかったでしょ?卒業してんだかしてないんだかわからない立場だから、今回こういう中途半端なスタイルでできるわけで。
西尾 それはそうね。新人ちゃんたちは来るのかしら。
遊佐 いま日曜は学館5時でしまっちゃうから、来れる子は来るかもね。
西尾 最近私、店舗移動になったんですよ。喫茶店から日本料理屋にも行くようになって。日本酒のリストとかも作らないといけないから、日本酒にちょっと詳しくなった。
吉田 飲み比べたりするんですか?
西尾 実際には飲まない(笑)もうネットの情報だけで、甘口とか辛口とか。でもだいたいどこも書いてること同じなんだよね。……的な、世界ですよ。
遊佐 みんな仕事してるんだよね。
西尾 してるよ。
遊佐 すごいねー。
西尾 遊佐はさ、大学の頃と全然変わらないとかって言ってるけどさ、それがすごいと思う。
遊佐 へ?
西尾 変わらないって何?やってることはさ、全然違うわけじゃん。
遊佐 まあね。
西尾 でも変わらない。生活のリズムとかが変わらないってこと?
遊佐 うん、変わってない。普通にこっち来るしね。
西尾 私の方が早稲田近くに住んでるけど、全然行ってない。
遊佐 休みの日も、普通に9時に起きちゃうんだよね。遅くても。
西尾 すごいね。
遊佐 さすがにこれ(稽古)やってる間は疲れてるけどね。休みなしだから。
西尾 休みも大事。
遊佐 まあねえ。最近、入れ歯のおばあちゃんの真似が旨くなった。
西尾 やってやって(笑)
(以下5分、入れ歯のおばあちゃんの形態模写)
遊佐 ……こんな感じね。もういくらでもパターンがある。
西尾 担当の人の分?
遊佐 全部覚えてるからね。これが仕事をして得したことかな。
西尾 なるほどね。
遊佐 まあ、そういう仕事ですね。端的に言うと。
遊佐 なんか、周りの奴らがドンドン結婚するみたいじゃないですか。
西尾 それはね、びっくりしてる。ビックトピックですよ。っていうかあなたもですけどね。
遊佐 僕は別にいいんだよ。昔から言ってるし。でもすごいことですよね。僕はすごいとは思わないけど。
西尾 だってさ、したくても出来ないからね。一人では。
遊佐 そうだね。私の代の奴らが、すごいんですよ。
西尾 遊佐さん含めて四組ですからね。すごいわぁ。それしか言えない。
遊佐 良いと思うよ。僕はそれで。
西尾 気付けばもう、27?
遊佐 今年で27。なんか、何も変わってないけど、まあそうだよな、って納得かな。就職はしたけど結局芝居やってるし、棒術会必死でやってたけど、むしろ今のほうが体動くしね。全然変わってないな、やっぱり変わらなかったな、みたいな。目標としては、総入れ歯のおじいちゃんになっても、演出してる。一人芝居とか。まあ夢ですね。なんか、今の爺さんの芝居とかって、時代遅れってのがどうしてもわかっちゃうじゃないですか。そうはなりたくないな、とおもいます。流行りを取り入れて。
遊佐 今回ダンスしますけど。流行りを取り入れて。
西尾 流行りね。
遊佐 最近の流行りは、オープニングダンスして、タイトルコールぺらっとやって、役者紹介する。
西尾 流行ってるね。本当ヤだったけどね、あれ。タイトル入れて、役者紹介……役者の本名とか知りたくないんですよ。まあいいんだけど。
遊佐 流れは自然だよね。
西尾 流れはあるよね。
遊佐 あと、僕が踊りたかったっていう。
西尾 あのキレキレダンス(※フジファブリック「夜明けのビート」)ね。
遊佐 結構練習したんですよ。
西尾 ええ、知ってます。
遊佐 朝から学館でね。山籠りみたいに、筋肉痛になるくらい。森山未来の踊りっていうのを目標にしてるんですけど。
西尾 あの人はすごいね。
遊佐 あれはすごかった。尊敬した。出来ることと出来ないことがあって、諦めましたけど。
西尾 すごい綺麗だった。
遊佐 かといってダンスを続けたいわけでもないですけど。舞踏でもないし。
西尾 でも、声出して、体動かすことの大事さを今回とても痛感しました。
遊佐 そうですか。
西尾 最近すごいストレス溜まってて。
遊佐 あー。
西尾 全部抱え込んでたのを、それをすることによって、多少は発散されているような気がして。週一、二の稽古だけどさ。ま、毎日になると私は嫌なんですよ。毎日稽古とか馬鹿らしい。
遊佐 毎日は嫌だ。
西尾 本当に、大学時代なんであんなに毎日やってたのか意味分かんない。
遊佐 本当そう思います。
西尾 それはまあ、その頃の慣習で、毎日ガツガツやるものだったけど。やっぱりなんかね、すごい気持ちいですね。声出して、っていうのが。だから演劇とかあるのかな、ってのが私の解釈で。誰かに見てもらいたいとか、自分の考えを表現したいとか、そういうのがなくて、ぶっちゃけ自分が良ければいいんだけど、だから続けている人が多いのかな、と思いますね。
遊佐 そうなんだけどね。それが理想、っていうかそういうのがあっていいよね。
西尾 まあ、別にそれを仕事にしたいってわけじゃないから言えると思うんだけどね。
遊佐 そうだね。
西尾 それで食べていきたいって人だと、また別の話になるんだろうけど。
遊佐 そうだね。これくらいのテンションがいいな。
西尾 できるなら続けていきたいと思うね。せっかくだから。
遊佐 つながりがあるからね。細く長くやって行きたい。これは僕の野望なんですけど、自分では細く長くのつもりでも、周りには太く思われるようなことを続けたい。
西尾 あー。
遊佐 別に今の仕事を辞める気もないしね。今回は夏休みを使ってるけど、夏休みとか有給とか、そういうのを使ってうまく付き合って行けたらとおもいますね。小劇場界のストリームに乗っかる気もないけれど、そういうのも見つつ。
遊佐 今回、一応演出みたいな感じですけど、全然演出してない。勝手にやれっていつも通り。……役者がやりたい。
西尾 やりたいの?
遊佐 ちゃんとセリフとか練習したい。だれか呼んでくれないかな。
西尾 ははは。そうなんだ。
遊佐 一度演出始めちゃうと呼んでもらえないよね。
西尾 そうなの。自分で始める前?いろいろ出ていたのは。
遊佐 そうだね。自分で浮遊始めてからは全然。棒術会もあったんだけど。もうちょっと5年生のころ客演したかったな、と。あ、そう、留年したんですよ(笑)就活諦めたのと、もう一年演劇やりたかったのとあって。
西尾 わざとね。卒論出さないでね。
遊佐 5年の時に卒論出したんだけど、出した時に、7ページくらい足りなくて。二時間くらいで7ページ書いたの。
西尾 (笑)やっつけですね。やっつけ仕事。
遊佐 そんな学生になっちゃいけないよ、と。
西尾 もうちょっとまじめにやっていればよかったな。って後悔することもあるのでそれは仕方ない。
遊佐 今後どうするんですか。
西尾 今後ですか。ぶっちゃけ今の会社に長く居るつもりは無いんで。別に職場の人見に来ないと思うんでいっちゃいますけど、まあ、26、7で会社変えて。別に何がしたいってわかんないんだけど、結局飲食系の仕事しかしてないんだよね。
遊佐 そうだね。
西尾 前は飲食って嫌だったんだけど、まあ、もうそういうふうになっちゃったから、これが運命かなって受け入れ始めた。今店頭に立ってサービスしてるけど、裏に立ってちょいちょいちょい、って回すような仕事がやってみたいな、と。日本料理屋さんに行ってから、裏の仕事とか、企画とかやるようになってきたから、勉強して。やろうかな、と思いますね。
遊佐 小料理屋さん開いたら?向いてると思うよ。
西尾 (笑)自分でやるとしたらまた違うよね。雇われてやるのと。
遊佐 小料理屋さん開いたら結構行く気がする。。
西尾 そうねぇ、いいね、小料理屋さん。大鉢の料理並べてね、日本酒、焼酎、ビール……今の店にソムリエ、バーテンいるから、ワインも置いて(笑)
遊佐 どこがいいのかな。板橋とか十条とか。僕西京線だから行きやすい。
西尾 その辺需要ある?
遊佐 わかんない。もうちょっと都心かな。小伝馬町しか分かんないや(笑)小料理屋さん、いけると思うよ。
西尾 (笑)じゃあちょっと考えときます。今んところ自分でやる気はあんまりないけど。
西尾 でも具体的に全然考えてないからね。どうなるか分かんない。私、近々地球滅びると思ってるから。
遊佐 そうなの?(驚)
西尾 別に終末思想とか、滅びるの嫌だ、とかおもってるわけじゃないけど。もうあんまり生きられない気がする。
遊佐 ああ、自分がね。
西尾 そうそう。だからあんまり先のこと考えてない。
遊佐 僕はすげえ長生きする自信あるよ。
西尾 すごいプラン立ててたもんね。
遊佐 生命力にあふれてる気がするもん。90までは絶対生きられるとおもう。割と元気に。
まあ、いま26ですよね。子供が、3年から5年で1人作るでしょ、5年から10年くらいでもうひとりが出来て。その子が若干大きくなって、上の子が幼稚園の年長くらいになって、今の1DKの家だと無理だな、と。それで2DKの家に引っ越して、10年くらい住むでしょ。そしたら子供たちが大きくなって、上の子が中学生高校生で、下の子が小学生中学年くらい。いつまでも同じ部屋ってどうなの、ってことで次は3LDKの部屋に引っ越してまた10年。上の子が大学に入って、卒業して、就職するわな。そのころが二十五、六。下の子が二〇くらいか。それで下の子も就職して手が離れたら、我々は1Dkの部屋に引っ込んで、そこで僕は演劇をやる、と。
西尾 (笑)
遊佐 だいたい家電ってのは10年が限度なの。で、家は20年。だから築10年のところに引っ越す。そこで、新しい家電を買う。十年たつ。家も家電も寿命だから、また引っ越す。子供たちも育つ。これで行こう。
西尾 緻密だ。
遊佐 老後は、埼玉好きだから、さいたま市内だろうけど。とりあえずあと4、5年したら、さいたま市内で演劇サークルみたいなの作って、主宰やって、演劇活動をしようと思います。
西尾 なるほどね。
遊佐 仕事のことは考えてないね。移動もあるかもしれないし。わかんないけど、なるようになるとおもうし。そのときそのとき、やるようにやってればいいほうにころがっていくんじゃないかな、と。そういう将来設計ですね。
西尾 なるほど。
遊佐 吉田さんはなんかありますか。
吉田 僕ですか。
遊佐 さんって言っちゃった。
西尾 私、吉田さんの生活が分かんないんだよねぇ。
吉田 今後は分かんないんですよねぇ。目途が立たないので。
遊佐 立たなそうだよね。
西尾 来年卒業?
吉田 その予定ですね。6年はさすがになんで。
遊佐 僕はねえ、吉田さんは40前に死ぬと思う。
西尾 早死に。
吉田 割と言われますけど。
遊佐 長生きしないよ。いやでも、40前で死んだら僕は割と嬉しい。
西尾 嬉しくないよ。
遊佐 ああ、やっぱり今の世の中にもこういう僕が好きなタイプがいた、良かったな、って。そう思って僕は長生きするけどね。僕は長生きして、寺山修司を超えるから。
西尾 夢(笑)
遊佐 寺山修司は早死にしたからよかったとおもうんだよね。
西尾 今生きてたら。
遊佐 生きてたら駄目。僕は長生きして寺山修司を超えるよ(笑)40、50の頃はぺーぺーだと思うけどね。60越えてから本番。
遊佐 この「かえる」含め、近々3本やろうと思ってるんですよ。1月ぐらいに、ちらっとギャラリー公演をやりたいな、と。40,50分くらいで、3人芝居。で、次に美濃加茂でやりたいの。
西尾 はぁ?あれ学生だけでしょ。
遊佐 本当は学生だけじゃなかったんだよ。それに紛れ込んで、来年は「美濃加茂殺人事件」をやりたいな、って。
西尾 殺人事件?
吉田 「熱海殺人事件」みたいな。
遊佐 つかこうへいのね。あれを美濃加茂にあてはめて、明智光秀の残した財宝を巡る骨肉の争いを……
吉田 そんな話でしたっけ。
遊佐 それをまあ森のOBでやる、っていうのが。僕の野望です。
西尾 野望ね。
遊佐 で、その3本が終わったら、一旦森から離れて、さいたま市内で劇団をつくる!
西尾 なるほど。いいんじゃないかしら。
遊佐 あなたの抱負は。
西尾 そうねえ。遊佐さんはそういう野望がある人ですからねえ。私は生きていければいいんですけど。ただ、今回に限って言えば、無理してお休みをとり、休みも少なくなり、休みの日も削って稽古をし、って感じになりましたけど、やってて普通に楽しかったし、いいなあ、と思ったんで。たまにはまたこういうこともやりたいなあと。そんな感じですね。
遊佐 じゃあまた「藍色3」でお会いしましょう。
(8月19日、さくら水産池袋西口店にて収録)

