『ボードゲームと種の起源』(仮)


The end of company ジエン社
『ボードゲームと種の起源』(仮)
脚本・演出 山本健介

時期・場所・未定

あらすじ

ボードゲームも妊娠も
実際に会って、しないと、
できない。

*

 ボードゲームを作ることは、「法」を作る行為と似ている。
 デジタルゲームのプログラミングと異なり、アナログゲームのルールの裁定は人が担う。だから、ゲームのルールは絶対なものに成りえない。ゲームのルールは――法は、人が運用することが前提でないといけない。だから、その法は運用しやすいものでないといけない。しかも、法を犯しても罰を与える力がない以上、法に従う事が魅力的なものとならなければならない。思わず従ってみたくなるような法。自分を縛ってみたくなるような法とは、どういった法なのか。

 ボードゲーム作家という、親や地元の友達に説明しにくい仕事をしている僕は、一人で黙々と新しい「法」を作るため、ただ部屋に居た。『螺旋城』と名付けようとしているボードゲームの基本的な法は「盤面の側面を一周する」「お互いに相手の次に進もうとしている数を読み合い、的中したら相手の前進を阻止できる」「相手より先に目的のマス目に入るか、相手を殺すことに成功したものが勝利」といったものだ。

「殺すの?」
「うん。相手と同じマスに入ったら、先に居た相手は死ぬ」。

 彼女にそういうと、彼女は長い髪をだらりとたらしながら起き上がる。

「バックギャモンとまわり将棋をベースに、運要素の少ないゲームにしたくて」
「あなたはツキがないものね」
「妖怪イチ足りない、に取りつかれているから」

 ダイスを使うゲームは苦手だ。
 ダイスを使うなら、究極すべてのゲームはくじ引きでよくなってしまうんじゃないか、と思う。

「重いゲームはもう作らないの?」

 重いゲームとは、ルールと準備が複雑で、プレイ時間が長くかかるものを指す。

「やってくれる人が少ないから」

 彼女は重いゲームに付き合ってくれる数少ない僕のゲーム仲間だ。

「あなたの作るゲームは、説明されるとすごく複雑に見えるけど、やってみるとびっくりするくらい優しくて、だけど意地悪。相手を妨害する手段や、ルールを知ってない人を陥れるハメ技ばかり」

 重くなった彼女の体を、彼女は自分ひとりで支えて、どこかへ行こうとする。体は、運要素はなるべく少なくあるべきだ、と思う。そうでなければ、あまりに不条理で、不公平なのではないか。
 その一方で、運要素が少なくなればなるほど、ゲームに参加できる間口は狭くなる。妊娠という事実は、運に左右されるものであっていいのか。重い体を女性だけに支えさせていいのか。補助要素を考慮すべきではないのか。法は、その律を犯した時、責任の取り方として罰以外の何かはないのか。僕は罰せられるべきものなのか。どうして彼女は、このゲームを降りないのか。ゲームは誰でも参加できるものでないといけないんじゃないか。彼女は誰とでも寝る女じゃないのか。

 それとも、あらゆるものをゲーム、と考えてしまう僕のアナログは、すでに何かに縛られていて、次の一手、運以外で勝利条件にたどり着くには、法を曲げるしかないんじゃないか。

公演時期や場所

未定。まったくの未定。準備公演は年内の上演を目指す。

準備公演とは?

 きたるべき本公演の「準備のために」公演をする。いわいる「ワークインプログレス」つまり「作品の完成の過程を公開する」のとは違い、準備公演として独立して作品として完成させる。それにより「第1稿としての脚本を作る」「観客との感想やディスカッションを参照に本公演へ向かう」「より取材の足りてない部分を見出す」「準備期間で得た情報や知見をつめこむ」といった効果を狙う。

取材したいこと

今回の題材として「ボードゲーム制作者が、どのようにして『ルール』を作成していくのか」という事と、「アナログでしか出会えない場とは、できない事と何か、例えば妊娠とか」みたいなことを平行して考えていきたい。
ルールについて、「罰則を用いないで『ルール』に従ってもらうには、どうしたらいいのか」を突き詰めたい。また「ルール作り」とは「立法」でもある。法、法律がどう作られ、どう施行されているのか。社会にとって「法」とは何かも考えたい。

いままでの取り組み

2018年4月現在
ボードゲームの試作をしはじめ、テストプレイをしている。
参考
→試作ボードゲーム1号
『螺旋城』
https://note.mu/honsukesan/n/ncbec022c784e

公演準備としてやりたいこと

ひたすら私(山本)がボードゲームをプレイしたい
試作したボードゲームのテストプレイをしたい
ボードゲーム作家に話を聞きに行きたい
妊娠経験者に話を聞きに行きたい
立法したことのある議員経験のある人に話をしてみたい

上記に、なにか協力していただける方は気軽にツイッター(@homsukesan)にリプライ、DMを頂くか、メール(yamabom@gmail.com)にご連絡ください。
テストプレイヤー募集などは山本のツイッターをチェックしていただければ。